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wonderful reason
未来の話。
|wonderful reason
ただいま、とドアを開ければ。部屋に響くモーツァルト。
鍵盤を走る手は止まらず、お帰りなさい、と声がする。
ジャケットを脱いで、クローゼットに向かっていると、ちょうど曲の終わり。
しかしピアノの音はまだ続く。また、モーツァルト。
ルームウェアに着替えて、リビングに戻れば、随分と上機嫌に指を走らせている。
「先輩、お腹すきました!」
威勢良く言われ、毎度ながらため息まじりにエプロンを身に着けキッチンに向かう。手早く夕飯の支度を整える間中、ピアノは鳴り続ける。モーツァルトばかり。
何でモーツァルトばかり?聞こうとした矢先、素晴らしい嗅覚を持ち合わせた彼女は、出来上がりを見計らって指を止め、鍵盤に蓋をして。ごはん、ごはん、と部屋でも走ってやってくる。
食事中、だらしなく笑っているばかりなのはいつものことだし、
特に気にも留めず、いつもと変わらない夕食を終えた。
「ごちそうさまでした!」
食べる前も、食べた後も威勢が良い。食事に向かう姿が、彼女のバロメータとすれば。それは安心する姿だが、機嫌が良すぎて怪訝に思う。
皿をシンクに片して、タバコを探す。ジャケットのポケットに入れたままだったと思い出してクローゼットに向かう。思い出しついでに、彼女に疑問を投げかけて
「そういえば、今日は何でモーツァルトばっかり?」
タバコをくわえてリビングに戻る、ライターに手をかけようとすると、
その手に、ふわり、と彼女の両手。
「先輩、今日のご飯もすっごく美味しかったです。」
「…どうも?」
両手を被せたまま、伏せて喋る彼女のつむじを見つめながら、首を傾げる。
「これからも、のだめに栄養のつくものたくさん食べさせて下さいね。先輩の
ご飯が食べられなくなるのは嫌だから、のだめ、つわりになんか負けません!」
締まりのない口元から、タバコを奪うのは簡単だったことだろう。
「という訳で先輩、のだめの前ではタバコはご遠慮下さい?」
彼女に唇を掠めとられ、やっと瞬き出来た気がする。
「本当に?」
「ハイ。モーツァルトの理由ですよー。」
両手できゅっと、手に力を込められる。きっとまだ呆けた顔をした自分。
彼女は、器用に右手からライターとタバコの箱を抜き取り、さっとテーブルに置いて。ぐい、と手を引っ張ってピアノチェアに座らせられる。
「ささ、先輩も。モーツァルトを一曲どうぞ!」
そう言って笑って、ピアノチェアの端に腰掛けて無理矢理並んで座る。
ピアノのふたを開けて、鍵盤に手をおくより先に、
ぐっと彼女の身体を寄せて、今まで弾いてきたどんな曲よりも、
優しくお腹に触れた。
ただいま、とドアを開ければ。部屋に響くモーツァルト。
鍵盤を走る手は止まらず、お帰りなさい、と声がする。
ジャケットを脱いで、クローゼットに向かっていると、ちょうど曲の終わり。
しかしピアノの音はまだ続く。また、モーツァルト。
ルームウェアに着替えて、リビングに戻れば、随分と上機嫌に指を走らせている。
「先輩、お腹すきました!」
威勢良く言われ、毎度ながらため息まじりにエプロンを身に着けキッチンに向かう。手早く夕飯の支度を整える間中、ピアノは鳴り続ける。モーツァルトばかり。
何でモーツァルトばかり?聞こうとした矢先、素晴らしい嗅覚を持ち合わせた彼女は、出来上がりを見計らって指を止め、鍵盤に蓋をして。ごはん、ごはん、と部屋でも走ってやってくる。
食事中、だらしなく笑っているばかりなのはいつものことだし、
特に気にも留めず、いつもと変わらない夕食を終えた。
「ごちそうさまでした!」
食べる前も、食べた後も威勢が良い。食事に向かう姿が、彼女のバロメータとすれば。それは安心する姿だが、機嫌が良すぎて怪訝に思う。
皿をシンクに片して、タバコを探す。ジャケットのポケットに入れたままだったと思い出してクローゼットに向かう。思い出しついでに、彼女に疑問を投げかけて
「そういえば、今日は何でモーツァルトばっかり?」
タバコをくわえてリビングに戻る、ライターに手をかけようとすると、
その手に、ふわり、と彼女の両手。
「先輩、今日のご飯もすっごく美味しかったです。」
「…どうも?」
両手を被せたまま、伏せて喋る彼女のつむじを見つめながら、首を傾げる。
「これからも、のだめに栄養のつくものたくさん食べさせて下さいね。先輩の
ご飯が食べられなくなるのは嫌だから、のだめ、つわりになんか負けません!」
締まりのない口元から、タバコを奪うのは簡単だったことだろう。
「という訳で先輩、のだめの前ではタバコはご遠慮下さい?」
彼女に唇を掠めとられ、やっと瞬き出来た気がする。
「本当に?」
「ハイ。モーツァルトの理由ですよー。」
両手できゅっと、手に力を込められる。きっとまだ呆けた顔をした自分。
彼女は、器用に右手からライターとタバコの箱を抜き取り、さっとテーブルに置いて。ぐい、と手を引っ張ってピアノチェアに座らせられる。
「ささ、先輩も。モーツァルトを一曲どうぞ!」
そう言って笑って、ピアノチェアの端に腰掛けて無理矢理並んで座る。
ピアノのふたを開けて、鍵盤に手をおくより先に、
ぐっと彼女の身体を寄せて、今まで弾いてきたどんな曲よりも、
優しくお腹に触れた。
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