[PR]
×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
彼女の魔法
中々ダサいサブタイトルにしてしまいました。
|ライスボール・マジック
電話もメールももとより少ない私たちだけど、久しぶりのメールの様子にお米を炊こう、そう思った。パリッとしたシャツをまとって、半径一メートルはまるで無菌状態なんじゃないかと思う程のクリーンな先輩が、音楽に没頭しすぎるあまり、普段、をすっかりどこかに忘れてしまう。久しぶりの、ヨレヨレの先輩に会いに行こう、そう思った。
お米を二合。ピアノを弾いて炊飯器の知らせを待てば、ちょうどお腹も空いてくるころ。それからバスケットにおにぎりを詰めて、先輩の家に向かう。
「アロー? 先輩?生きてますかー?」
ドアを開けるとバスルームから音がしたので、少しの安堵。お湯を沸かして、お茶を用意するとドライヤーの音もきちんと聞こえてきたので、ますます心配することは無い、と思う。同時に少しつまらなく思えている自分が滑稽で、一人で小さく笑ってしまった。
バスルームから出てきた先輩は、髪も乾かしっぱなしにあちこちに風が吹いたままだし、無精髭もそのままでどこかまだ目の奥に疲れや靄がかかっていたけれど、ミネラルウォーターを手渡すと、小さく笑ってありがとう、と言った。
「食べてました?」
「あんまり。」
「大丈夫です?先輩から「何か食べ物」持って来て、なんて珍しいメールが届いたから。」
「うん、待ってた。」
「おにぎりですか?のだめですか?」
からかう様に言ってみても、先輩はずっと優しい目をしている。
「うん。」
どちらの肯定かわからない返事と一緒に抱きしめられる。私はこんなにいい匂いのする人を他に知らないし、もうこの匂いしか知らなくても良いと思う。背中をあやす様に優しくたたかれ、どちらが心配されているのかまるで分からない。見上げれば、目の中に映るのは自分だけだ。すっかり憑き物の落ちたような顔をしてるのに、反して普段の先輩らしくない無精髭は、いつもの優しいキスではあるけれど、いつもと違った感触を頬に伝えるので、妙に可笑しくて笑ってしまった。
私はズボラでいい加減だし、よく言われる「人並み」のことができない人間だけど。先輩をこんな風にすることができるのも、私だけだと知っている。
電話もメールももとより少ない私たちだけど、久しぶりのメールの様子にお米を炊こう、そう思った。パリッとしたシャツをまとって、半径一メートルはまるで無菌状態なんじゃないかと思う程のクリーンな先輩が、音楽に没頭しすぎるあまり、普段、をすっかりどこかに忘れてしまう。久しぶりの、ヨレヨレの先輩に会いに行こう、そう思った。
お米を二合。ピアノを弾いて炊飯器の知らせを待てば、ちょうどお腹も空いてくるころ。それからバスケットにおにぎりを詰めて、先輩の家に向かう。
「アロー? 先輩?生きてますかー?」
ドアを開けるとバスルームから音がしたので、少しの安堵。お湯を沸かして、お茶を用意するとドライヤーの音もきちんと聞こえてきたので、ますます心配することは無い、と思う。同時に少しつまらなく思えている自分が滑稽で、一人で小さく笑ってしまった。
バスルームから出てきた先輩は、髪も乾かしっぱなしにあちこちに風が吹いたままだし、無精髭もそのままでどこかまだ目の奥に疲れや靄がかかっていたけれど、ミネラルウォーターを手渡すと、小さく笑ってありがとう、と言った。
「食べてました?」
「あんまり。」
「大丈夫です?先輩から「何か食べ物」持って来て、なんて珍しいメールが届いたから。」
「うん、待ってた。」
「おにぎりですか?のだめですか?」
からかう様に言ってみても、先輩はずっと優しい目をしている。
「うん。」
どちらの肯定かわからない返事と一緒に抱きしめられる。私はこんなにいい匂いのする人を他に知らないし、もうこの匂いしか知らなくても良いと思う。背中をあやす様に優しくたたかれ、どちらが心配されているのかまるで分からない。見上げれば、目の中に映るのは自分だけだ。すっかり憑き物の落ちたような顔をしてるのに、反して普段の先輩らしくない無精髭は、いつもの優しいキスではあるけれど、いつもと違った感触を頬に伝えるので、妙に可笑しくて笑ってしまった。
私はズボラでいい加減だし、よく言われる「人並み」のことができない人間だけど。先輩をこんな風にすることができるのも、私だけだと知っている。
PR