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果てなきフレンド
オペラ編の合間ら辺

|果てなきフレンド

休憩時間にホールから出ると、長椅子に座る二人の背中が目に入った。学生時代のころと変わらない跳ねた黒髪とおかっぱ頭、「のだめ、」と声をかけようとするのだけれど言葉が出てこないどころか足が動かない。耳に届くのは周りの喧騒ばかり、反して静かな二人の絵に途端に吸い込まれていった。
のだめは演奏の話をしているのか、あどけなく笑い、時折空でピアノを弾いている。そして横の千秋がなんとも穏やかな顔で聞いているものだから、少し冷やかしてやろうか、と思っていた気はとうに削そがれてしまった。それから千秋は立ち上がるとのだめの頭をひと撫でしてから、緩やかに腰を折って耳元に寄ってボソリと唇を動かした。そしてゆっくりとにこりと笑うのだめ。あぁ、なんて彼らは。屈託ない愛を振りまくようになったのか。そんな顔は知らなかった。
「うわぁ、」と声に出ていたのかどうかはわからないけれど、その言葉は大きな飴玉みたいに飲み込むことも難しかった、そしてのどに引っかかったかのように窒息して顔が赤くなるのが分かった。

もちろん、二人を見つめていたので、こちらに向き直った千秋とはすぐに目があった。直立不動を怪訝に思ったのか、もの言いたげにこちらへやってくる。
「なんだよ、さっさと始めるぞ。」
千秋は至っていつもの調子で言い放ち、視線の向こうでのだめが手を振った。

踵を返して千秋を追ってホールへ向かう。
「千秋、さっきのだめに何て言った?」
ビタリ、と足が止まったかと思うと途端に顔を赤くした。なんの気なしの質問だったが、これは予想外に面白い反応、口角があがる。
「…」
「なぁ?」
「…なにも。」
この顔は知っている。いつもの歩幅の1.5倍で急いてホールへ向かう様子にこみ上げる笑い、もう一度彼女の方を見れば、不思議そうに小首を傾げてなんとも可愛らしい顔をしてこちらを伺っている。
さてさて、千秋の言葉は一体何だったのか。彼らの謎、見たことない顔。まだまだ未知の友人達。

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こちらは、の/だ/め/カン/ター/ビレを扱う二次創作のブログです。もちろん原作、出版社等いっさい関係ありません。

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