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HONEY COME!
ハニートーストよりフレンチトースト派です。
|HONEY COME!
少し大きめの密閉ガラスに入った薄い不透明な琥珀色を、彼女は天井にかざしてうっとりと見つめている。
「ハチミツ?」
「です!アンナに分けてもらいました。あとでターニャにもお裾分けです、美味しそうですよねー。」
ごとり、とそれをテーブルに預け今度はいそいそとキッチンへ向かっている。彼女の思考回路はまるでお見通しで、ブレッド缶を覗きこむ様子にやはりと思った彼が声をかけた。
「今朝の残りのパンならシンクに出しっぱなしだけど?」
目当てを勿論言い当てられて、上機嫌にブレッドボードとナイフを携えてやってきた。
「ターニャはいいの?」
「お裾分けの前に味見程度ですよー。ターニャに美味しかったです!て教えてあげたら親切でしょ?」
「食い意地張ってるだけだろ。」
唖然とする言い訳に顔をしかめたが、それを気にする様子も無く揚々と笑っている。それから、キュイ、とバゲットにナイフを入れて薄くスライス、スプーンで蜂蜜をひと掬いしてからこれ見よがしにやや高めの位置からとろりと蜂蜜を一筋落とした。続けてゆっくりと琥珀色をのばしてスプーンをブレッドボードに手放して、さぁ、と勢いよく口を開けてバゲットを頬張る。一口でバゲットの半分も、そして満面の笑み。
「むきゃー、おいしいです!先輩もどうですか?」
「じゃぁ、一切れ作って。紅茶淹れてやる。」
食い意地に呆れていたことも吹き飛んでしまう程の愛らしい笑顔と、はぁい、とそれは甘ったるい彼女の返事に、彼は口の端を上げてケトルに火をかけた。
ポットとカップを手にテーブルに戻るとブレッドボードには残りのバゲットが全てスライスされ、隙間なく並べられており彼女は丁寧に一枚一枚蜂蜜をのばしていた。彼は目をむいて、やや大袈裟に音をたててポットを置いた。
「待てよ、誰がこんなに食うんだよ。お前味見程度っつっただろ。」
「えー?味見ですよ、味見。あ、じゃぁ今ターニャも呼んじゃいますか?」
呆れかえる彼の目の前で彼女はバゲットの最後の一枚に蜂蜜を塗り終えたところ、スプーンに残った蜂蜜を唇へあてて、それから幸福そうに舐めとった。伏せ目がちに視線を落として人差し指にまで垂れた分まで舌を伸ばすのをゆっくりと眺めていると、彼女の漆黒のまつ毛と赤い舌のコントラストが妙に煽情的で視界が揺れる。それこそ脳味噌のてっぺんから蜂蜜を垂れ流された気分になる。
「…」
コトリ、と彼の手のカップ。コトリ、と彼女の手のスプーン。全てテーブルに手放され、あ、とたじろぐ間もなく彼の唇に飲み込まれた。その性急なキスは甘ったるくて仕方がないので考える隙も与えない。そして自由になった手は、彼女の背中でワンピースに急速に皺を寄せている。琥珀色の吐息の間でようやく唇が離れて、彼女はやっと言葉を吐きだせた。
「先輩、のだめ。ターニャに、ていうか何でいきなりこんな状況?」
思考回路からはとうに蜂蜜なんてどこかへいってしまっている彼は、一度顔をあげて、さぁ、と一つ恍けてみせるが、勿論行為を続行しようとすぐに彼女の首元へ埋まった。
「お前のせいだろ、」
彼女の赤面と焦燥は、彼の一言で全て有耶無耶になってしまった。
少し大きめの密閉ガラスに入った薄い不透明な琥珀色を、彼女は天井にかざしてうっとりと見つめている。
「ハチミツ?」
「です!アンナに分けてもらいました。あとでターニャにもお裾分けです、美味しそうですよねー。」
ごとり、とそれをテーブルに預け今度はいそいそとキッチンへ向かっている。彼女の思考回路はまるでお見通しで、ブレッド缶を覗きこむ様子にやはりと思った彼が声をかけた。
「今朝の残りのパンならシンクに出しっぱなしだけど?」
目当てを勿論言い当てられて、上機嫌にブレッドボードとナイフを携えてやってきた。
「ターニャはいいの?」
「お裾分けの前に味見程度ですよー。ターニャに美味しかったです!て教えてあげたら親切でしょ?」
「食い意地張ってるだけだろ。」
唖然とする言い訳に顔をしかめたが、それを気にする様子も無く揚々と笑っている。それから、キュイ、とバゲットにナイフを入れて薄くスライス、スプーンで蜂蜜をひと掬いしてからこれ見よがしにやや高めの位置からとろりと蜂蜜を一筋落とした。続けてゆっくりと琥珀色をのばしてスプーンをブレッドボードに手放して、さぁ、と勢いよく口を開けてバゲットを頬張る。一口でバゲットの半分も、そして満面の笑み。
「むきゃー、おいしいです!先輩もどうですか?」
「じゃぁ、一切れ作って。紅茶淹れてやる。」
食い意地に呆れていたことも吹き飛んでしまう程の愛らしい笑顔と、はぁい、とそれは甘ったるい彼女の返事に、彼は口の端を上げてケトルに火をかけた。
ポットとカップを手にテーブルに戻るとブレッドボードには残りのバゲットが全てスライスされ、隙間なく並べられており彼女は丁寧に一枚一枚蜂蜜をのばしていた。彼は目をむいて、やや大袈裟に音をたててポットを置いた。
「待てよ、誰がこんなに食うんだよ。お前味見程度っつっただろ。」
「えー?味見ですよ、味見。あ、じゃぁ今ターニャも呼んじゃいますか?」
呆れかえる彼の目の前で彼女はバゲットの最後の一枚に蜂蜜を塗り終えたところ、スプーンに残った蜂蜜を唇へあてて、それから幸福そうに舐めとった。伏せ目がちに視線を落として人差し指にまで垂れた分まで舌を伸ばすのをゆっくりと眺めていると、彼女の漆黒のまつ毛と赤い舌のコントラストが妙に煽情的で視界が揺れる。それこそ脳味噌のてっぺんから蜂蜜を垂れ流された気分になる。
「…」
コトリ、と彼の手のカップ。コトリ、と彼女の手のスプーン。全てテーブルに手放され、あ、とたじろぐ間もなく彼の唇に飲み込まれた。その性急なキスは甘ったるくて仕方がないので考える隙も与えない。そして自由になった手は、彼女の背中でワンピースに急速に皺を寄せている。琥珀色の吐息の間でようやく唇が離れて、彼女はやっと言葉を吐きだせた。
「先輩、のだめ。ターニャに、ていうか何でいきなりこんな状況?」
思考回路からはとうに蜂蜜なんてどこかへいってしまっている彼は、一度顔をあげて、さぁ、と一つ恍けてみせるが、勿論行為を続行しようとすぐに彼女の首元へ埋まった。
「お前のせいだろ、」
彼女の赤面と焦燥は、彼の一言で全て有耶無耶になってしまった。
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