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雨上がりと虹と彼らと
猛暑日何日目…?
暑い日が続きますが、皆様どうぞお気をつけて下さいね。
頬を伝うのは汗!涙じゃない!わー!悲しいことばっかり!
負けません負けません。笑顔で出社は曲げません。でも辛い!
暑さのせいにしてしまえ!ということで寝ます…
副題は千秋も含めだな、と思います。
結局ターニャや周りがいい迷惑!
暑い日が続きますが、皆様どうぞお気をつけて下さいね。
頬を伝うのは汗!涙じゃない!わー!悲しいことばっかり!
負けません負けません。笑顔で出社は曲げません。でも辛い!
暑さのせいにしてしまえ!ということで寝ます…
副題は千秋も含めだな、と思います。
結局ターニャや周りがいい迷惑!
|わざとじゃないの
突然の雨は10分もしないうちに止んで、すっかりきれいな青空になった。虹すら作りだしそうなほどの澄んだ空気を窓から眺めていた彼は、よし、と意気込んで立ち上がる。スコアをデスクに放り投げて、鉛筆の代わりに掃除道具を手にした。
「先輩?今朝はもう掃除終わったんじゃないんですか?しかものだめが手伝っていつもよりスムーズに!」
スコアを途中で投げ出した彼を珍しく思った彼女は、ピアノから顔をあげて最後は何とも誇らしげに言った。彼は憮然としているであろう顔をまざまざと見せつけたいほどだったが、あいにく彼の気持ちはもう外に向かっている。
「雨上がったし、ちょうどいいから洗車だ洗車。」
そう言って彼の指差す方向に素直に目をやった彼女は、あ、と小さく声を上げた。
「あっという間に雨あがってたんですね!のだめも手伝いまーす!」
ピアノチェアから勢い良く立ち上がりルームシューズの足音を小気味よくたてながら走ってやってきた彼女にバケツを渡す。ちょうど練習に飽きた所だったんだろ。と彼の嫌味一つにも、彼女ももうすっかり気持ちは外へ向かっていたので一向に刺さらない。屈託のない笑顔でバケツを受け取り鼻歌交じりに階段を下りてエントランスへと向かった。
順調にいつもの手順にそって洗車をこなす彼の横で手伝う彼女の仕事量はおよそ彼の半分以下だったが、雨上がりの澄んだ空気に気持ちよく彼女の鼻歌が乗って聞こえるのも悪くなかったので彼は珍しく何も言わなかった。
「先輩!虹!」
予想通りに虹がかかった。彼はホースの水を止めようとしゃがんでいたところで、彼女は右手で空の中央高くを指差して振り返った。しかし左手はホースを握りしめたままだったので勢いよく彼は水を被る羽目になった。あ、と彼女がホースを下げたが既に遅く、目の前には怒りを水とともに滴らせている彼の姿。
「…えーと、先輩ってば、水も滴るいい男ですね?」
「お前なぁ、」
濡れた髪を払いながら立ち上がり、彼はいやに静かに歩み寄ってゆく。それからホースを奪い取った。
「先輩、のだめだってわざとじゃないんです、わざとじゃないんです。だって虹が出たんですよ、あ、ほら。ホースからも小さな虹。ムキャー!ごめんなさいごめんなさい!わざとじゃないんですー!!」
ホースの口を指で狭めて上手に虹を作って彼は彼女の真上に虹をかける。二人は虹のかかった空の下で、既にびしょ濡れになっている。ホースを奪いあって、虹と水のかけ合いをするように。エントランスには水の跳ねる音と無邪気な笑い声が響いた。
「ターニャ?何見てるの?」
窓枠に頬杖をついたまま、詰まらなさそうに窓の外のエントランスを指差した。
「水遊び?気持ち良さそうだなー。」
「違うわよ、洗車よ。洗車が水遊びになって、いちゃついてるだけよ。全く暑苦しいったらないんだから!」
ふん、と息巻いてピアノへ向かった背中の窓からは、楽しそうにはしゃぐ友人の声と水音が中々止まずに恨めしい程だった。入れ替わりにフランクは微笑ましくエントランスを覗き込んでいる。雨と水遊びでたっぷりとできた水たまりは、空と太陽が十分に反射して目映く余計に目を細めた。そして後ろでターニャの弾き始めたピアノのラヴェルにこっそりと笑った。
突然の雨は10分もしないうちに止んで、すっかりきれいな青空になった。虹すら作りだしそうなほどの澄んだ空気を窓から眺めていた彼は、よし、と意気込んで立ち上がる。スコアをデスクに放り投げて、鉛筆の代わりに掃除道具を手にした。
「先輩?今朝はもう掃除終わったんじゃないんですか?しかものだめが手伝っていつもよりスムーズに!」
スコアを途中で投げ出した彼を珍しく思った彼女は、ピアノから顔をあげて最後は何とも誇らしげに言った。彼は憮然としているであろう顔をまざまざと見せつけたいほどだったが、あいにく彼の気持ちはもう外に向かっている。
「雨上がったし、ちょうどいいから洗車だ洗車。」
そう言って彼の指差す方向に素直に目をやった彼女は、あ、と小さく声を上げた。
「あっという間に雨あがってたんですね!のだめも手伝いまーす!」
ピアノチェアから勢い良く立ち上がりルームシューズの足音を小気味よくたてながら走ってやってきた彼女にバケツを渡す。ちょうど練習に飽きた所だったんだろ。と彼の嫌味一つにも、彼女ももうすっかり気持ちは外へ向かっていたので一向に刺さらない。屈託のない笑顔でバケツを受け取り鼻歌交じりに階段を下りてエントランスへと向かった。
順調にいつもの手順にそって洗車をこなす彼の横で手伝う彼女の仕事量はおよそ彼の半分以下だったが、雨上がりの澄んだ空気に気持ちよく彼女の鼻歌が乗って聞こえるのも悪くなかったので彼は珍しく何も言わなかった。
「先輩!虹!」
予想通りに虹がかかった。彼はホースの水を止めようとしゃがんでいたところで、彼女は右手で空の中央高くを指差して振り返った。しかし左手はホースを握りしめたままだったので勢いよく彼は水を被る羽目になった。あ、と彼女がホースを下げたが既に遅く、目の前には怒りを水とともに滴らせている彼の姿。
「…えーと、先輩ってば、水も滴るいい男ですね?」
「お前なぁ、」
濡れた髪を払いながら立ち上がり、彼はいやに静かに歩み寄ってゆく。それからホースを奪い取った。
「先輩、のだめだってわざとじゃないんです、わざとじゃないんです。だって虹が出たんですよ、あ、ほら。ホースからも小さな虹。ムキャー!ごめんなさいごめんなさい!わざとじゃないんですー!!」
ホースの口を指で狭めて上手に虹を作って彼は彼女の真上に虹をかける。二人は虹のかかった空の下で、既にびしょ濡れになっている。ホースを奪いあって、虹と水のかけ合いをするように。エントランスには水の跳ねる音と無邪気な笑い声が響いた。
「ターニャ?何見てるの?」
窓枠に頬杖をついたまま、詰まらなさそうに窓の外のエントランスを指差した。
「水遊び?気持ち良さそうだなー。」
「違うわよ、洗車よ。洗車が水遊びになって、いちゃついてるだけよ。全く暑苦しいったらないんだから!」
ふん、と息巻いてピアノへ向かった背中の窓からは、楽しそうにはしゃぐ友人の声と水音が中々止まずに恨めしい程だった。入れ替わりにフランクは微笑ましくエントランスを覗き込んでいる。雨と水遊びでたっぷりとできた水たまりは、空と太陽が十分に反射して目映く余計に目を細めた。そして後ろでターニャの弾き始めたピアノのラヴェルにこっそりと笑った。
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