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最初と最後と最初で最後
6月ですし。 その2。
|最初と最後と最初で最後
彼女の頭の中は雑多。大好きなアニメのキャラクターが音符と一緒に飛び跳ねていたり、まるで彼女の部屋の様に散乱している知識や思考。それでも大好きで仕方の無い彼と肌を重ねている間くらいは、彼への愛で頭から身体からすべてを満たしていると言いたいのだけれども。今に至っては、薄暗い間接照明のみの部屋の中で彼に組み敷かれた状況で、こんな時でしか出さないような甘いトーンで彼女の名前を耳元で呼ぶような状況だというのに。彼女の頭の中に浮かんでいるのは、昔聞いたことのある「女はその男の最後になりたがって、男はその女の最初になりたがる」そんな話だった。甘ったるい濃度の部屋の中で彼女は怪訝な顔を作ってみせたので、彼はその様子を慣れた様子で少し気に入らなさそうに一応「何?」と聞いてやった。
「20歳過ぎても処女だったもので、うっかり先輩に初めてを奪われたのだめですが。」
まるで文句の様な言い分に、眉根を寄せた。
「なんだよ、不服だったのかよ?」
「いいえ?のだめは嬉しかったですけど。先輩は嬉しかったですか?のだめの初めて。」
離れようとする彼を引き留めるように、首に腕をまわして顔を寄せて彼女は言った。
「…なんだよ。ていうか、今その話するかフツー。まぁ、お前みたいな変態と付き合えるのはオレ位なもんだろうし。お前の初めての男がいたっていうんなら見てみたい気もするけど。」
さっさとこの話題を終わらせてしまおうとでも言うように、彼も彼女の首元に埋まった。鎖骨に唇を寄せて甘い濃度を引き上げようとするのだが、彼女はそんな彼を察知する様子もなく無邪気にはしゃいでみせた。
「ほわぉ。ジェラシー?」
「違う。興味本位。」
余計に声に不機嫌なトーンをふくめて返す彼に、彼女も頬を膨らませた。
「むぅ。」
触れ合っている肌は心地よく、体温もあがってゆくばかりなのに交わす言葉だけがパサパサとしている。いい加減、早くいつもの可愛いなき声をあげればいいのに、と彼はため息混じりにぼんやりと思いながら頬にひとつキスをした。
「で、今日は何が言いたいわけ?」
「そう、そうですよ! 今日は、先輩。初めてですね。」
「は?」
顔をあげて、彼女を真上からのぞきこめば、一層きらきら目を輝かせて嬉しそうに笑っていた。
「結婚は初めてですよね!しかものだめと!」
「…。」
にっこりとゆっくり笑って言う彼女は、さっきまでの怪訝な顔とは打って変わって屈託がない。なんだか拍子抜けするような話だったが、まわりくどい無垢を見せつける彼女は愛おしさで溢れている。
「そうだな。初めての結婚はお前だな。」
「むきー!そんなこと言うと離婚ですよ!」
「それはさっそく二回目考えなきゃなぁ。」
いつものように彼がからかう様に答えたので、彼女もムキになって返した。前髪を払われて、額、こめかみ、もう一度頬。重なるキスの合間にも彼女は奇声混じりの抗議を続けていたけれど、ようやく唇が重なったところで静かに言葉をしまいこんだ。そして深く深く食べられてしまうかのようなキスの終わりに、目に目が映る距離で彼が笑って「ウソだよ、」と言った。
「最初で最後だよ。」
彼女が聞きたがっていただろう彼の言葉は、昇りつめてゆく意識の狭間で幸せを象って揺れていた。
彼女の頭の中は雑多。大好きなアニメのキャラクターが音符と一緒に飛び跳ねていたり、まるで彼女の部屋の様に散乱している知識や思考。それでも大好きで仕方の無い彼と肌を重ねている間くらいは、彼への愛で頭から身体からすべてを満たしていると言いたいのだけれども。今に至っては、薄暗い間接照明のみの部屋の中で彼に組み敷かれた状況で、こんな時でしか出さないような甘いトーンで彼女の名前を耳元で呼ぶような状況だというのに。彼女の頭の中に浮かんでいるのは、昔聞いたことのある「女はその男の最後になりたがって、男はその女の最初になりたがる」そんな話だった。甘ったるい濃度の部屋の中で彼女は怪訝な顔を作ってみせたので、彼はその様子を慣れた様子で少し気に入らなさそうに一応「何?」と聞いてやった。
「20歳過ぎても処女だったもので、うっかり先輩に初めてを奪われたのだめですが。」
まるで文句の様な言い分に、眉根を寄せた。
「なんだよ、不服だったのかよ?」
「いいえ?のだめは嬉しかったですけど。先輩は嬉しかったですか?のだめの初めて。」
離れようとする彼を引き留めるように、首に腕をまわして顔を寄せて彼女は言った。
「…なんだよ。ていうか、今その話するかフツー。まぁ、お前みたいな変態と付き合えるのはオレ位なもんだろうし。お前の初めての男がいたっていうんなら見てみたい気もするけど。」
さっさとこの話題を終わらせてしまおうとでも言うように、彼も彼女の首元に埋まった。鎖骨に唇を寄せて甘い濃度を引き上げようとするのだが、彼女はそんな彼を察知する様子もなく無邪気にはしゃいでみせた。
「ほわぉ。ジェラシー?」
「違う。興味本位。」
余計に声に不機嫌なトーンをふくめて返す彼に、彼女も頬を膨らませた。
「むぅ。」
触れ合っている肌は心地よく、体温もあがってゆくばかりなのに交わす言葉だけがパサパサとしている。いい加減、早くいつもの可愛いなき声をあげればいいのに、と彼はため息混じりにぼんやりと思いながら頬にひとつキスをした。
「で、今日は何が言いたいわけ?」
「そう、そうですよ! 今日は、先輩。初めてですね。」
「は?」
顔をあげて、彼女を真上からのぞきこめば、一層きらきら目を輝かせて嬉しそうに笑っていた。
「結婚は初めてですよね!しかものだめと!」
「…。」
にっこりとゆっくり笑って言う彼女は、さっきまでの怪訝な顔とは打って変わって屈託がない。なんだか拍子抜けするような話だったが、まわりくどい無垢を見せつける彼女は愛おしさで溢れている。
「そうだな。初めての結婚はお前だな。」
「むきー!そんなこと言うと離婚ですよ!」
「それはさっそく二回目考えなきゃなぁ。」
いつものように彼がからかう様に答えたので、彼女もムキになって返した。前髪を払われて、額、こめかみ、もう一度頬。重なるキスの合間にも彼女は奇声混じりの抗議を続けていたけれど、ようやく唇が重なったところで静かに言葉をしまいこんだ。そして深く深く食べられてしまうかのようなキスの終わりに、目に目が映る距離で彼が笑って「ウソだよ、」と言った。
「最初で最後だよ。」
彼女が聞きたがっていただろう彼の言葉は、昇りつめてゆく意識の狭間で幸せを象って揺れていた。
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