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しきよく世界
もういいじゃない、二人して変態で。
という話のようなそうでもないような。
という話のようなそうでもないような。
|しきよく世界
目を閉じても、日差しが目蓋を暖めているのが分かる。少しだけ開けた窓から柔らかくなり始めた春の風が吹いていて、ソファに横になって楽譜を胸元に落として足を投げだして。どの位か、数分とたたない内に意識は手放される。階段を駆け上がる足音も夢うつつに遠く。
「先輩ただいまでーす。」
挨拶はドアを開けるのと同時。
「あれ?」
寝室からリビングに入って来て、珍しい彼の姿を見つけて幾分か声のボリュームが下がる。
「寝てます? 昨日も遅かったんですかねぇ…」
無造作に、脱いだ上着と鞄を放って彼の寝顔を覗き込む。キラキラと窓からの日差しが降り注いでいて、しばし時が止まった様に錯覚する。
そのまま視線を動かさずにテーブルとソファの間に収まる様に座り込んでから、少し傾げる様にして手にした楽譜を見やる。「のだめも、今、おんなじです。」ふふ、と表紙の作曲家の名前をなぞる。そのまま指先は空をさまよい顔の上へ、触れるか触れないかの距離でまつ毛を測る様に指を遊ばす。
唇が落ちてくる前だということは、空気で分かる。あと数センチ、の距離で彼の腕が唐突に動いた。そのまま頭を掴まれ、思い切り深く唇を重ねられる。
「先輩! 起きてたんですか!」
やっと解放された彼女は赤い顔のまま口元を押さえて言った。彼はどこまでも素知らぬ顔で、じぃっと彼女をみつめている。
「お前の独り言、声でかいし。大体人の寝込み襲おうとするんじゃねぇよ、変態。」
滑り落ちそうな楽譜をテーブルに預けて、大きく息を吐きながら言った。
「のだめはいつだって先輩に欲情してるんです!それにのだめは、ちょっとキスするだけのつもりだったのに!先輩のほうこそあんなにがっつり!変態!」
赤い顔はそのまま、奇声を足しながら必死に続ける彼女に、彼は表情を変えなかった。それから、右手を伸ばして、彼女の腕を掴み引き寄せた。バランスを崩した彼女はソファの上の彼の上へ。距離なんてもう無いに等しい。
「寝込み襲うんなら、ちゃんと襲えよ。」
目の色を変えず随分と真面目に言い放つ彼に、彼女もムキになって唇をぎゅっと結んだ。
「えぇ、それじゃぁ。変態の名にかけて。きちんと襲いますよ。」
「どうぞ?」
そうして彼の不適な笑みを向けられたら、叶う術は無いことも知っていたので。何度もキスを重ねる内に、諦めをもって早々に彼にすべてを委ねてしまおうと頭の片隅で思った。
目を閉じても、日差しが目蓋を暖めているのが分かる。少しだけ開けた窓から柔らかくなり始めた春の風が吹いていて、ソファに横になって楽譜を胸元に落として足を投げだして。どの位か、数分とたたない内に意識は手放される。階段を駆け上がる足音も夢うつつに遠く。
「先輩ただいまでーす。」
挨拶はドアを開けるのと同時。
「あれ?」
寝室からリビングに入って来て、珍しい彼の姿を見つけて幾分か声のボリュームが下がる。
「寝てます? 昨日も遅かったんですかねぇ…」
無造作に、脱いだ上着と鞄を放って彼の寝顔を覗き込む。キラキラと窓からの日差しが降り注いでいて、しばし時が止まった様に錯覚する。
そのまま視線を動かさずにテーブルとソファの間に収まる様に座り込んでから、少し傾げる様にして手にした楽譜を見やる。「のだめも、今、おんなじです。」ふふ、と表紙の作曲家の名前をなぞる。そのまま指先は空をさまよい顔の上へ、触れるか触れないかの距離でまつ毛を測る様に指を遊ばす。
唇が落ちてくる前だということは、空気で分かる。あと数センチ、の距離で彼の腕が唐突に動いた。そのまま頭を掴まれ、思い切り深く唇を重ねられる。
「先輩! 起きてたんですか!」
やっと解放された彼女は赤い顔のまま口元を押さえて言った。彼はどこまでも素知らぬ顔で、じぃっと彼女をみつめている。
「お前の独り言、声でかいし。大体人の寝込み襲おうとするんじゃねぇよ、変態。」
滑り落ちそうな楽譜をテーブルに預けて、大きく息を吐きながら言った。
「のだめはいつだって先輩に欲情してるんです!それにのだめは、ちょっとキスするだけのつもりだったのに!先輩のほうこそあんなにがっつり!変態!」
赤い顔はそのまま、奇声を足しながら必死に続ける彼女に、彼は表情を変えなかった。それから、右手を伸ばして、彼女の腕を掴み引き寄せた。バランスを崩した彼女はソファの上の彼の上へ。距離なんてもう無いに等しい。
「寝込み襲うんなら、ちゃんと襲えよ。」
目の色を変えず随分と真面目に言い放つ彼に、彼女もムキになって唇をぎゅっと結んだ。
「えぇ、それじゃぁ。変態の名にかけて。きちんと襲いますよ。」
「どうぞ?」
そうして彼の不適な笑みを向けられたら、叶う術は無いことも知っていたので。何度もキスを重ねる内に、諦めをもって早々に彼にすべてを委ねてしまおうと頭の片隅で思った。
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