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夢の扉
の/だ/めの世界ではド/ラ/え/も/んに代わるものが
プ/リ/ご/ろ/太であるとは思うのですが…ひみつ道具ネタ…
ちなみに、ワタシが欲しいひみつ道具は
大抵友人に「別にいらなくない?」と言われます。
そんなことない。ランキングにも入ってる。
あと、広告出るのはしょうがないと思うんですけどね、でかい。
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ちなみに、ワタシが欲しいひみつ道具は
大抵友人に「別にいらなくない?」と言われます。
そんなことない。ランキングにも入ってる。
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|夢のドアはピンク
アパルトマンの門扉をくぐると、窓から大きな声で呼ばれた。見上げると、彼女は小さく手を振っている。冬の色をした空気に息が白むほどでいるというのに、窓を開けた彼女を怪訝に思いながら部屋へあがる。オイルヒーターによって柔らかく暖められた部屋には開け放たれた窓から冬の風が入っている。
「ずっと外見てた?」
寒くないの、とマフラーを外しコートを脱いだところでケトルが音をたてた。彼女はシンクに走りながら「ちょっと、」と言いガスを止める。彼がルームウェアに着替えてやってくるとポットひとつにカップがふたつ準備されていて微かに葉っぱが香った。
「ドアをね、見てたんですよ。」
彼がポットに手をかけてゆっくりと回しながらカップに注ぎ入れる。二つ目のカップの半分で彼女はストップ、と声をかけた。シンクにはミルクが置かれている。
「ドア?何で?」
「ターニャは今、どこでもドアが欲しいんです。」
カップを手渡す手が止まったのは、いくら日本のアニメ文化がフランスでも名高いとはいえ、ピアノの他には洋服と美容に夢中のロシアの女子がそれを知っているとは思えなかったからだ。
「嘘言うなよ、ターニャがそう言ったのか?」
「どこでもドアとは言ってないですけど。つまりね、黒木君に会いたいんですよ。今すぐ。」
まぁそんなところだろうと思ってはいたけれど。と加えて彼女を見れば、寂しさを抱いて眠る友人に胸を痛めてどこか殊勝な表情でミルクティーを啜っている。
「アパルトマンの門がせめてピンクだったらな、って思って。どこでもドアですよ!って言ってあげられるのに。」
「言ったところで、実際違うだろ。」
そうですけどぉ、と頬を膨らませながらカップを二つ持ってソファへと向かった。窓を閉めようと手をかけて、先ほどの彼女と同じ様に門扉を見やった。確かに魔法でもかかっていそうなくらい立派なものだけれども重い扉を開けた先は手前と番地も変わらない同じ場所だ。閉められた窓ガラスには夜の始めの色に室内が映り込んでいて、彼女がカップと楽譜を手に天井を見上げていた。
「オレも来週イタリアなんだけど。」
ソファの横に腰を下ろして、ちょっと勿体つけるような言い方をした彼に、目を二回瞬かせた。それから口を尖らせて、つまらなさそうな顔と声を作った。
「やっぱり、のだめも欲しいです。どこでもドア。」
望んだ答えが貰えた彼は少し笑って彼女の髪を手荒に撫ぜた。彼女はむぅ、と口を尖らせたままだったが、目を伏せてボソリと言った。
「…でも、どこでもドアがあったら。のだめ、留学してなかったかもしれませんね、」
「?」
首をひねった彼を、彼女はこくりとミルクティーを飲みじっと見つめている。
「分からないんなら、いいです。」
ドアを開ければ大好きな彼のもとへ、それこそ夢のような道具があれば。必死に彼を追ってパリにやってくることも無かったかもしれない。けれどもこうして当たりまえに彼の隣に座って同じ楽譜を眺めることもなかったかもしれない、とも思う。
カップをテーブルに預けた彼女が、楽譜を抱えてコトリと頭ごと胸元にやってくる。十分に暖かさを取り戻した部屋で、彼は疑問符を浮かべたまま今度は優しく頭を撫ぜた。
アパルトマンの門扉をくぐると、窓から大きな声で呼ばれた。見上げると、彼女は小さく手を振っている。冬の色をした空気に息が白むほどでいるというのに、窓を開けた彼女を怪訝に思いながら部屋へあがる。オイルヒーターによって柔らかく暖められた部屋には開け放たれた窓から冬の風が入っている。
「ずっと外見てた?」
寒くないの、とマフラーを外しコートを脱いだところでケトルが音をたてた。彼女はシンクに走りながら「ちょっと、」と言いガスを止める。彼がルームウェアに着替えてやってくるとポットひとつにカップがふたつ準備されていて微かに葉っぱが香った。
「ドアをね、見てたんですよ。」
彼がポットに手をかけてゆっくりと回しながらカップに注ぎ入れる。二つ目のカップの半分で彼女はストップ、と声をかけた。シンクにはミルクが置かれている。
「ドア?何で?」
「ターニャは今、どこでもドアが欲しいんです。」
カップを手渡す手が止まったのは、いくら日本のアニメ文化がフランスでも名高いとはいえ、ピアノの他には洋服と美容に夢中のロシアの女子がそれを知っているとは思えなかったからだ。
「嘘言うなよ、ターニャがそう言ったのか?」
「どこでもドアとは言ってないですけど。つまりね、黒木君に会いたいんですよ。今すぐ。」
まぁそんなところだろうと思ってはいたけれど。と加えて彼女を見れば、寂しさを抱いて眠る友人に胸を痛めてどこか殊勝な表情でミルクティーを啜っている。
「アパルトマンの門がせめてピンクだったらな、って思って。どこでもドアですよ!って言ってあげられるのに。」
「言ったところで、実際違うだろ。」
そうですけどぉ、と頬を膨らませながらカップを二つ持ってソファへと向かった。窓を閉めようと手をかけて、先ほどの彼女と同じ様に門扉を見やった。確かに魔法でもかかっていそうなくらい立派なものだけれども重い扉を開けた先は手前と番地も変わらない同じ場所だ。閉められた窓ガラスには夜の始めの色に室内が映り込んでいて、彼女がカップと楽譜を手に天井を見上げていた。
「オレも来週イタリアなんだけど。」
ソファの横に腰を下ろして、ちょっと勿体つけるような言い方をした彼に、目を二回瞬かせた。それから口を尖らせて、つまらなさそうな顔と声を作った。
「やっぱり、のだめも欲しいです。どこでもドア。」
望んだ答えが貰えた彼は少し笑って彼女の髪を手荒に撫ぜた。彼女はむぅ、と口を尖らせたままだったが、目を伏せてボソリと言った。
「…でも、どこでもドアがあったら。のだめ、留学してなかったかもしれませんね、」
「?」
首をひねった彼を、彼女はこくりとミルクティーを飲みじっと見つめている。
「分からないんなら、いいです。」
ドアを開ければ大好きな彼のもとへ、それこそ夢のような道具があれば。必死に彼を追ってパリにやってくることも無かったかもしれない。けれどもこうして当たりまえに彼の隣に座って同じ楽譜を眺めることもなかったかもしれない、とも思う。
カップをテーブルに預けた彼女が、楽譜を抱えてコトリと頭ごと胸元にやってくる。十分に暖かさを取り戻した部屋で、彼は疑問符を浮かべたまま今度は優しく頭を撫ぜた。
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