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呼吸をする様に名前を呼んで
外国育ちだから、ですかね。
|呼吸をする様に名前を呼んで
「多賀谷彩子に、萌ちゃん、薫ちゃん、キヨラさんに、ユウコさんも。…あ、
真澄ちゃんまで!」
「…なに?」
ソファの上、両端の肘掛けにお互いの背を預ける様に向かい合っていて、足が絡まっていることはお互い不自由には思っていない。彼は楽譜を抱え、彼女はカップを両手にしている。そこで彼女が発したいきなりの女性陣の名前の羅列、思い切り怪訝な顔をして彼女を見れば、軽く不思議そうな顔をしてこちらを見ている。
「何で彩子はフルネーム?しかも最後は真澄? ていうか、何が言いたいの?」
「ほら、ソレ。ソレですよ。」
全く訳が分からない、と楽譜を閉じて、背もたれに肘を預けて聞く体勢を整えた。見据えた彼女は不思議そうな顔から、ややムッとした表情を作り始めている。
「先輩は、基本女性の名前、呼び捨てですよね。多賀谷彩子は元恋人だけど、年上のユウコさんにだって。キヨラさんは峰君とはいえ、人の彼女なのに。そうですよ、真澄ちゃんですら、真澄、って呼ぶのに。何でのだめのことは恵って、呼んでくれないんですか!」
だんだんと強くなる語尾と、珍しく彼女からもっともなことを突きつけられている気がして、ひるんでしまった。きっと頬がぴくりと引きつっていたのも、彼女には気づかれただろう。
カップを右手でコトリ、とテーブルに預け、絡まった足をほどいて膝の間に割りいって彼女が顔を寄せる。真正面から「何でですか?」と詰め寄られると、彼はたじろぐばかりだった。何十秒か、じっと目は合わさったままだったが彼女の方が先に目を逸らした。それはもう胡乱な顔つきで、これ見よがしな盛大なため息も付け加えて。
「何だよ。」
「別に。いいんですよ?のだめは最早、世界ののだめ、ですし?でも先輩はバカですね!世界ののだめ、を恵って呼ぶことが出来るのは先輩だけなのに!」
つんと外を向いてそう言い放った彼女の言い分に、彼は真一文字に結んでいた唇を軽く開く。望む様に、めぐみ、と呼ぼうと唇を象った瞬間、彼女の足が彼の足を跳ねた。
「…っ痛!」
彼女は、自分は悪くない、と平然と彼を見やっている。その顔を、痛む声を押し殺しながら蹴られた脛を撫でながら見ていた。
「お前なぁ…。」
ふん、と彼女は声に出した。その様子に、彼は眉根を寄せて彼女ににじり寄る。足癖の悪い彼女の足をギュッとひと掴み。少し驚いた彼女はソファの上でバランスを崩す。そのまま足首をくいと引かれ、肘掛けから背中はずるりと滑らされた。
「…何ですか。」
「相変わらず、行儀の悪い足だな。」
気づけば右腕も彼の手によって掴まれ、彼女は狭いソファの上でとうに自由のきかない体制だ。
「離して下さいよ。」
ムッと不機嫌そうに言う彼女に、今度は彼が平然と「ヤだよ。」と言ってのけた。負けじと身を捩る様にしていつの間にか組敷かれている体制から抜け出そうとする彼女。
「暴れるなよ。」
不敵に笑う彼の言いようが気に入らない、とばかりに彼女はムキになった様子を見せて奇声をあげて騒ぎ立てた。しかし次の瞬間、彼女は急速に大人しくなるしかなかった。
耳元に唇を寄せた彼に、めぐみ。と呼ばれたからだ。
「多賀谷彩子に、萌ちゃん、薫ちゃん、キヨラさんに、ユウコさんも。…あ、
真澄ちゃんまで!」
「…なに?」
ソファの上、両端の肘掛けにお互いの背を預ける様に向かい合っていて、足が絡まっていることはお互い不自由には思っていない。彼は楽譜を抱え、彼女はカップを両手にしている。そこで彼女が発したいきなりの女性陣の名前の羅列、思い切り怪訝な顔をして彼女を見れば、軽く不思議そうな顔をしてこちらを見ている。
「何で彩子はフルネーム?しかも最後は真澄? ていうか、何が言いたいの?」
「ほら、ソレ。ソレですよ。」
全く訳が分からない、と楽譜を閉じて、背もたれに肘を預けて聞く体勢を整えた。見据えた彼女は不思議そうな顔から、ややムッとした表情を作り始めている。
「先輩は、基本女性の名前、呼び捨てですよね。多賀谷彩子は元恋人だけど、年上のユウコさんにだって。キヨラさんは峰君とはいえ、人の彼女なのに。そうですよ、真澄ちゃんですら、真澄、って呼ぶのに。何でのだめのことは恵って、呼んでくれないんですか!」
だんだんと強くなる語尾と、珍しく彼女からもっともなことを突きつけられている気がして、ひるんでしまった。きっと頬がぴくりと引きつっていたのも、彼女には気づかれただろう。
カップを右手でコトリ、とテーブルに預け、絡まった足をほどいて膝の間に割りいって彼女が顔を寄せる。真正面から「何でですか?」と詰め寄られると、彼はたじろぐばかりだった。何十秒か、じっと目は合わさったままだったが彼女の方が先に目を逸らした。それはもう胡乱な顔つきで、これ見よがしな盛大なため息も付け加えて。
「何だよ。」
「別に。いいんですよ?のだめは最早、世界ののだめ、ですし?でも先輩はバカですね!世界ののだめ、を恵って呼ぶことが出来るのは先輩だけなのに!」
つんと外を向いてそう言い放った彼女の言い分に、彼は真一文字に結んでいた唇を軽く開く。望む様に、めぐみ、と呼ぼうと唇を象った瞬間、彼女の足が彼の足を跳ねた。
「…っ痛!」
彼女は、自分は悪くない、と平然と彼を見やっている。その顔を、痛む声を押し殺しながら蹴られた脛を撫でながら見ていた。
「お前なぁ…。」
ふん、と彼女は声に出した。その様子に、彼は眉根を寄せて彼女ににじり寄る。足癖の悪い彼女の足をギュッとひと掴み。少し驚いた彼女はソファの上でバランスを崩す。そのまま足首をくいと引かれ、肘掛けから背中はずるりと滑らされた。
「…何ですか。」
「相変わらず、行儀の悪い足だな。」
気づけば右腕も彼の手によって掴まれ、彼女は狭いソファの上でとうに自由のきかない体制だ。
「離して下さいよ。」
ムッと不機嫌そうに言う彼女に、今度は彼が平然と「ヤだよ。」と言ってのけた。負けじと身を捩る様にしていつの間にか組敷かれている体制から抜け出そうとする彼女。
「暴れるなよ。」
不敵に笑う彼の言いようが気に入らない、とばかりに彼女はムキになった様子を見せて奇声をあげて騒ぎ立てた。しかし次の瞬間、彼女は急速に大人しくなるしかなかった。
耳元に唇を寄せた彼に、めぐみ。と呼ばれたからだ。
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